PCR産物のような1kb (kilo base) 以下の小さなDNA産物をアガロース・ゲルで電気泳動する時は、1xTBE バッファーを含む 2% アガロース・ゲルで泳動する。100ボルトで20-30分泳動すると良い分離が得られる。
TBEバッファーは10倍濃度の 10xTBE バッファーをストック液として作成し、使用する時には10倍希釈して使う。
10x TBE バッファーのレシピ
1)27.5 g ホウ酸
2)54 g トリス・ベース(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)
似た名前の薬品が多数あるので、使用前に薬品名を確認すること
3)20ml 0.5 M EDTA (pH8.0) 液
総量を ddH2O で500mlとし、攪拌して良く溶解する。
オートクレーブをしておくと析出を抑えられる。

プラスミドのような3kb 以上の大きさの大きな DNA を電気泳動する時は1 x TAE バッファーを含む0.8-1%アガロース・ゲルを用いる。 TAE は50倍濃縮の 50x TAE バッファーを使用前に希釈して使う。我々は調整済の市販品を使用している。
ゲルには、泳動後にDNAを紫外線によって可視化するために安全性の高い日本ジェネティクス社のミドリ・グリーン・アドバンス(ゲル100ml当たりミドリ・グリーン・アドバンスを4-6マイクロ・リッター)を入れて作成している。(ミドリ・グリーンにはアドバンストとダイレクトの2種があるので用途によって使い分ける)
DNA の泳動時には、サンプル(通常10マイクロ・リッター程度)にローディング・ダイ1マイクロリッターを加えて青色にしている。
また、同時にDNA ラダー(5マイクロ・リッター)を泳動し、目的のPCR産物の大きさの確認を行っている。我々は、大きなサイズから小さなサイズまで全てを一度に確認できるニッポン・ジーン社のGene Ladder Wide 2 を好んで使っている。

泳動後はバイオラッド社の ChemiDocイメージングシステムで画像をキャプチャーしている。