【学会参加報告】 第86回 日本血液学会学術集会・京都
第86回 日本血液学会学術集会が2024年10月11日から13日まで、京都大学・血液内科の高折教授の下、京都の国立京都国際会館とザ・プリンス京都宝ヶ池ホテルで開催されました。
日本だけでなく中国・韓国・インド・シンガポールなどのアジアの国々の血液疾患研究に関わる医療者・研究者が多数集まりました。更に、招待講演として多数の著名な先生方がアメリカ・カナダ・ヨーロッパの国々から招待され優れた発表をされました。
京都大学の高折教授からは、高折教授の師である、成人T細胞白血病の発見・研究に寄与された高月教授や内山教授、さらには成人T細胞白血病の原因ウイルスであるHTLV-I
の発見者として知られる日沼教授など京都大学を代表する先生方の業績が紹介されました。
また、同じく京都大学からは2012年にiPS細胞の作製でノーベル医学・生理学賞を受賞された山中先生から、iPS細胞の臨床応用の話を頂きました。多くの臓器の細胞がiPS細胞から生成され、様々な疾患の治療に生かされていることが紹介されました。
米国からは、聖ジュード小児病院のムリガン教授より、小児白血病の遺伝子解析の研究結果が紹介されました。コーディング領域だけでなく、非コード領域の異常も又、癌化に寄与しているとのデータは大変興味深いものでした。ムリガン先生は、川又教授が米国で研究をしている時に同じテーマで切磋琢磨した先生で、10年ぶりの再会でした。
カナダからは、多くの日本人留学生(実に、その数46名)を受け入れ、第一線の免疫研究を続けているトロント大学のタック・マック教授が免疫システムとノック・アウトマウスを用いた実験について御講演を頂きました。
20代ー30代の若い日本の医師・研究者が多数参加し、積極的に英語で演者に多くの質問を投げかけ、討議をしていました。また、プレナリーセッション(優秀演題セッション)では、6名の若い(30代)の医師・研究者が選ばれ、英語で、その成果を発表していましたが、そのうち半分の3題が京都大学からの発表であり、京都大学の能力の高さ、優秀な若手の豊富さに大変感銘を受けました。

京都大学・高折教授が、師である高月・内山教授の業績を御話しされました。ノーベル賞受賞者の山中教授が iPS細胞の臨床応用の実例について解説されました。

京都の北の宝ヶ池の京都国際会館には多くの若い医師・研究者が集まり、熱心に発表に耳を傾けていました。聖ジュード小児病院のムリガン教授と川又教授。

MDアンダーソン癌センターのショート教授と川又教授。親日家で知られるトロント大学のタック・マック教授と川又教授。