日本における癌の頻度・血液癌の頻度


日本における癌の頻度は国立がんセンターが中心となり解析し、発表されている。

日本の男性で多い癌は図の通り胃癌・大腸癌(結腸癌と直腸癌の合計)・肺癌・前立腺癌である。女性は男性に比べると癌の頻度が低く、特に胃癌と肺癌は男性の半分しか発症しない。女性では胃癌・大腸癌・肺癌・乳癌が多い。

血液悪性腫瘍(血液癌)では悪性リンパ腫が多いが、それでも肺癌の1/4以下である。稀な癌である膵臓癌や食道癌と同程度の少なさである。白血病は更に稀な疾患で、極めて稀な胆嚢癌よりも少ない。

悪性リンパ腫と一口に言っても、発症後、数か月で命を奪うほど急激に進行するび漫性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL) や10年単位でゆっくり進行する濾胞リンパ腫(FL) などを含めて約40種類のタイプがあり、それぞれに進行のスピードも治療法も異なる。

血液疾患に関しては日本血液学会が国内のデータを集め詳細な解析を行い、各タイプ別の頻度を専門医に公開している。

広島赤十字・原爆病院のような年間770例を越える新規患者登録のある専門病院から、年間1-2例の中小病院まで816機関のデータを集めて公開している。

悪性リンパ腫で一番多いタイプは上記の DLBCL で2022年には7806例の新規登録があった。FL は2714例の報告があった。FL は DLBCLの 1/3の頻度で発症している。

日本で頻度の低い慢性リンパ性白血病(CLL) などは493例とFLの1/5 以下の頻度であり、マントル細胞リンパ腫(MCL) は CLL よりも少ない373例で FL の 1/7程度である。共に、大きな病院でも 3 -5 年に1例の新規患者を診療する頻度である。

鼻型節外性NK/T細胞リンパ腫は159例と、CLLの 1/3 と少なく、大きな病院でも10-15年に1例しか受診することの無い稀な疾患である。

脂肪組織炎様T細胞リンパ腫は11例・ヘアリー細胞白血病は22例と、共に一人の専門医が一生に1度(30-40年に1例)診療するか、しないか、という極めて稀なタイプである。

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2025年01月29日