2023.7.19.医療「歩くことは...」
今日の授業からーーー「歩くことは体に良い」と古くから言われていますが、さて、1日、何歩くらい歩くと体に良いのでしょうか?体に良いとは具体的に、どのような効果があるのでしょうか?
アップル・ウォッチなどのウェラブル・デバイスが開発され、多くの人が腕時計と同様に、一日中装着しています。これを使って肉体的なアクティビティー(歩数や心拍数など)を知ることが出来ます。これらのデータを集めて、各人の健康状態と照らし合わせて「歩くこと」の有用性を詳しく解析した論文が発表されました。
Master H et al. Association of step counts over time with the risk of chronic disease in the All of Us Research Program. Nat Med. 2022 Nov;28(11):2301-2308.
6,000人の4年間にわたる歩数と健康状態の関係を検証したそうです。肥満・睡眠時無呼吸症・逆流性食道炎・うつ病は一日8,200歩を越えて歩けば、歩数が増せば増すほど改善が見られたそうです。
糖尿病や高血圧は、1日8,000-9,000歩を歩くと、そこで改善効果が頭打ちになってしまって、それ以上歩いても更なる改善は見られなかったとのことです。
どうも、一日8,200歩以上歩くのが良いようです。
ただ、、、これは「肥満大国・アメリカ」「車社会・アメリカ」のデータで、BMIの中央値が28.1 の中年白人女性が主体の調査(1日の歩数の中央値は7,700歩)なので、日本人でも同じなのかどうかは不明です。
日本人のデータも発表してもらいたいものです。