2023.5.22.医療「糖尿病治療薬...」


今日の授業からーーー糖尿病の治療薬には様々なものがあります。

①ビグアナイド系薬
②スルフォニル尿素系薬
③アルファ・グルコシダーゼ阻害薬(αGI)
④DPP-4阻害薬
⑤グリニド薬
⑥SGLT2阻害薬
⑦GLP-1受容体作動薬

と7系統もあります。各先生が、思い思いに各患者さんにとってベストの治療薬を選んでいます。

欧米では、今、⑥と⑦の治療薬が爆発的に使用され始めています。特に⑦GLP-1受容体作動薬には強力な体重減少効果が認められたので、「肥満大国・アメリカ」では、この治療薬が好まれています。以前は注射薬しか無かった⑦の薬ですが、今回、経口薬が発売されたので、更に、使いやすくなり、服用する患者さんの数がアメリカでは増えるでしょう。

Wharton S et al; GZGI Investigators. Daily Oral GLP-1 Receptor Agonist Orforglipron for Adults with Obesity. N Engl J Med. 2023 Jun 23.

⑥SGLT2阻害薬は「尿から糖分を出してしまう」という逆転の発想に基づいて作られた薬です。尿検査では「検査結果の悪化(尿糖陽性)」が認められてしまいますが、体の中の糖分(血糖値)は下がっているので、血液のデータは良くなって行きます。心不全にも効果を示すことが報告され、アメリカでは好んで処方され始めています。

Solomon SD et al; DELIVER Trial Committees and Investigators. Dapagliflozin in Heart Failure with Mildly Reduced or Preserved Ejection Fraction. N Engl J Med. 2022 Sep 22;387(12):1089-1098.

(肥満の糖尿病患者が多い「肥満大国・アメリカ」では、今後、⑥と⑦が主流になるでしょう。日本では、どうなるのでしょうか?)

2023年05月22日