アメリカで学ぶ・働く?
日本のテレビドラマだと「アメリカで勉強してくる」とか「アメリカで頑張る」などと言ってアメリカに旅立つシーンが頻繁にあります。
しかし、実際は、あんなに簡単ではありません。
アメリカで3か月以上の滞在をする場合「ビザ」が必要です。ビザが無いまま、アメリカに3か月以上滞在すれば「違法」になります。
アメリカで「学ぶ」場合、多くに人が「アメリカの語学学校」を選択します。「アメリカの語学学校」の多くが、外国人に対して入学許可書(I(アイ)-20) を発行してくれます。これを日本のアメリカ大使館に持って行って学生用のアメリカ滞在ビザ・ F(エフ)ビザを発行してもらいます。
ビザの有効期間は6-12か月のものが多いです(ビザの有効期限は、時代と共に変化しており、大昔は有効期限が5年のビザなどが発行されていたこともありましたが、不法移民問題が話題に上がっている現在、なるべく短期のビザを発行する傾向になって来ています)ビザが切れても、I-20 が有効であれば、アメリカに滞在することは許されています。I-20 が有効ならば、ビザの更新のために、本国(日本)で更新手続きをする必要は必ずしもありません。
アメリカのビザ取得までの手続きは大変なので、仲介業者さん(アメリカ語学留学の斡旋業者さん)に全て御願いしてしまう人が多いですが、相当な料金が掛かることが多いです。
学生用のFビザは学校で勉強することが目的の滞在ですから、就労(仕事)は出来ません。就労は(アルバイトであっても)違法になります。
アメリカの語学学校は、英語が出来ない様々な国の人たちが通っているので、アメリカ人の先生以外、まともな英語を話せる人はいません。そのため、まったく英語力(特にスピーキングやリスニング)が伸びない人が多いです。就労が許可されていないので、アメリカ人の「生の英語」に接する機会は「旅行者」と同程度(お店で店員さんと会話する・テレビの英語を聞く、、、という程度)になってしまうことも多いです。
アメリカで働くとなると、、、更に事態は困難を極めます。
J1ビザという国際交流プログラム・ビザを発行することが出来るアメリカの施設(大学や企業など)などで働くことが一般的ですが、、、これは「技術習得のための米国滞在」という名目なので、給与は極めて低額です。また、その施設以外に転職することも、他の仕事(アルバイト)をすることも禁止(違法)です。
これも学生の Fビザと同様に、施設が国際交流プログラムに参加していることの証明である DS2019 という書類(学生の I-20 に相当)を出してくれます。これを基に日本のアメリカ大使館でJ1ビザの発行の申請をしてビザを取得します。
J1ビザも、6か月から5年程度の有効期限のビザが発行できますが、近年は、1年の期限のビザが発行されることが多いようです。
J1ビザの場合、国際交流プログラムが終了したら、日本へ帰国しなければなりません(免除願いを出して、少しだけ滞在を延長することは出来ますが、何年もの滞在は出来ません)。
本格的な滞在するとなると H1b ビザという就労ビザの取得が必要ですが、これは研究者や特殊技能者には沢山発行されますが、一般的な職種には極めて少ない量の発行しかなく、手にするのは「不可能」と思った方が良いです。
多くの日本人留学生が「語学学校/Fビザ」「会社で見習い(国際交流プログラム)/J1ビザ」で4-5年アメリカに滞在し、その後も長くアメリカで働くことを希望しますが、このH1b ビザが取れず、泣く泣く帰国を余儀なくされる人は多いです。
I-20 の有効期限が切れたり、DS2019 の有効期限が切れた状態で、アメリカに滞在することはオーバー・ステイと呼ばれる違法行為です。また、就労の権利の無いFビザで、アルバイトをしたり、働く場所が指定されているJ1ビザで、アルバイトをすることも違法であり、不法就労に当たります。これらが発覚すれば警察に拘束され、強制的に日本へ送還され、その後、アメリカへの入国が出来なくなります。決して行ってはいけません。
日本の企業を通して、その企業のアメリカ支社で働くのが、H1b ビザを手に入れ易いですし、賃金面でも十分なものが与えられるので、最も簡単な「アメリカで働く方法」です。