アメリカ大統領選挙1
アメリカの大統領選挙は4年毎に行われる。2024年は大統領選挙の年である。
アメリカは民主党と共和党の二つの政党による二大政党政治なので、それぞれの政党が大統領候補を立てて、一騎打ちの形の選挙が11月に行われる。
それぞれの政党が2月から、大統領候補の選出のための党内での候補者選び選挙(日本では「予備選挙」と呼ぶことが多い)を行う。アメリカでは2期まで大統領を勤められるので、1期目の終わる民主党の現職の大統領であるジョー・バイデンは自動的に民主党の候補に上がる。まったく無風の候補者選びなので民主党の話は、11月の本選までは、ほとんど出てこない(ミッシェル・オバマに立候補して欲しいと訴えている民主党支持者も多かったが、ミッシェルは正式に辞退している)。
一方、対立する共和党の大統領候補選びはテレビ・ラジオ・新聞・SNS で大々的に報じられるので、多くの国民が関心を寄せる。候補者選びの選挙は、各党の内輪の選挙であって、正式な選挙ではない。なので、州によって、選挙方法が全然異なる。州によっては党員登録している人だけが投票できるシステムになっていたり、また別の州では、完全にオープンで、州民だったら誰でも投票できる形になっていたりする。大統領選挙の年には、スーパーマーケットの入り口や、デパートのフロア、道端など、あちこちで「党員登録サービス」を行っている。アメリカ国民であれば、誰でも簡単に党員登録できる。(党員登録したからと言って、その政党に投票する義務は、必ずしもない)
11月の本選まで、それぞれの党が大統領候補の選出のための選挙を行っていく。各州で結果がでるたびに「〇〇が勝った」と報道されるが、15もの州の選挙が行われる3月の第2週の選挙はスーパー・チューズデーと呼ばれ、候補の決定が見通せる大きな選挙日である(アメリカでは、全ての選挙が火曜日と決まっている。全ての職場で、この選挙の火曜日には「半日休み」が保障されていて、皆が選挙に行く*)。
各党の候補者選びは「もう勝てそうもない」と思った候補が、次々と辞退して行って、最終候補が決まる。無駄な選挙を続けると、資金をドブに捨てる形になってしまうからである。
しかし、、、、2004年の 民主党のハワード・ディーン候補のように、絶対的に有利と言われていた候補が、テレビの生放送中の「失態」がもとで、一夜にして、国民からソッポを向かれ、候補から脱落することもあるので、目が離せない。(民主党が自滅したお陰で、「再選は絶対に無理」と言われていたジョージ W ブッシュが2004年に再選し、バブル景気を放置し、2008年のリーマン・ショック(アメリカのバブル経済崩壊)に繋がることになった、とも言われている)
2024年の11月の大統領選挙は民主党のジョー・バイデンと共和党のドナルド・トランプの一騎打ちなるが、さて、どちらが勝つのか?
*キリスト教では日曜は「安息日」とさいれているので、キリスト教徒の多いアメリカでは、日曜に選挙は行えない。昔は、月曜に馬車に乗って1日かけて選挙所まで投票に出かけたので、火曜日を投票日とするのが国全体のルールになった。アメリカでは今でも200年以上前に出来た選挙日に関するルールを守って、火曜日を「選挙の日」としている。(今時、デパートもスーパーもディズニー・ランドもユニバーサル・スタジオも日曜営業しており、日曜日を「安息日」にしているキリスト教徒など皆無だが、選挙日だけは昔のルールのままである)