血液悪性腫瘍に対する同種造血幹細胞移植時のポスト-CY による免疫抑制
同種造血幹細胞移植は、以前は骨髄移植と呼ばれていた、兄弟や骨髄バンクなどから、自分と白血球の型の合った人の造血細胞を移植する治療です。
移植したドナーの細胞が患者(レシピエント)の体を攻撃する宿主片対宿主病 (GVHD) は重大な合併症であり、免疫抑制剤による治療を必要とします。免疫抑制が強いと、白血病の再発が増えることが知られています。
この論文では、従来とは異なる移植後にサイクロフォスファマイド(CY)という抗癌剤を使って免疫抑制する方法を用いて患者を治療しました。従来の治療を受けた人たちと治療成績を比較しました。
再発率は変わらず、早期の臓器障害も変わりませんでした。また、早期の死亡率も変わりませんでした。重症のGVHD を示す人が格段に減りました。
Bolaños-Meade J et al. Post-Transplantation Cyclophosphamide-Based Graft-versus-Host Disease Prophylaxis. N Engl J Med. 2023 Jun 22;388(25):2338-2348.
(この治療は、今後、標準治療になって行くでしょう)