8月は戦争について考える月


アメリカには多くの日本語無料雑誌(フリー・ペーパー)があります。その多くが、8月には、太平洋戦争の終結を思い出して、第二次世界大戦の際の日系アメリカ人の生活ぶりなどの特集をします。
 日本軍のハワイ・真珠湾・奇襲攻撃により米国人2,400名の死者を出したことを端緒に日米の戦争は始まりました。アメリカの西海岸・ロサンゼルス・サンフランシスコ・シアトルになどに住む日系人は敵国国民として資産が没収されて、砂漠の中の強制収容所に押し込められ、終戦まで厳しい生活を強いられました。
 (この辺の話は、日系人歌手のマイク・シノダ(リンキン・パークやフォート・マイナーのボーカルとして活躍)が「Kenji ケンジ」という楽曲の中で、彼の祖父から聞いたという、強制収容所への移送・収容所生活・解放後の差別などを歌詞にして歌っています)
 収容所に押し込められた日系人の間でも、親米派と反米派に別れて反目しあい(この辺の話は、NHK大河ドラマ「山河燃ゆ」の原作でもある山崎豊子氏の「二つの祖国」の中で語られています)解放後も日系社会に大きな亀裂を生む原因となってしまいました。
 また、アメリカへ忠誠心を見せるために、多くの日系人男子が軍隊に志願し、アメリカの歴史に残る壮絶な戦いをした四四二連隊や第百歩兵大隊、さらには対日情報部隊 MIS として枢軸国と戦った話などが特集号で語られます。


 ロサンゼルスのダウンタウンにあるリトル・トーキョーには、この時戦死した日系人アメリカ兵を記念して日系人部隊記念碑(Go For Broke Monument) があります。

日系人部隊記念碑 https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Go_for_Broke_Monument.jpgより

2023年08月03日