物理化学演習 第4回
予習編
物理化学演習・第4回では、理想気体が関わる系のエントロピー変化と特定の条件における自発変化の方向について演習を行います。
第2回の演習で学んだ、様々な可逆過程における内部エネルギー変化、熱、仕事の計算と同じように、それらの熱力学的過程におけるエントロピー変化を計算できるようになることが目的です。これは可逆過程における熱の計算で正確にできれば簡単に計算できるので、第2回の内容を復習しておいてください。また、特定の条件においては、孤立系(系と外界の両方)のエントロピー変化を計算しなくても、系のある熱力学変数(ギブズエネルギーとヘルムホルツエネルギー)の変化を追うことで、自発変化の方向を判断できることを学びます。
今回でエントロピーの扱いに慣れて、熱力学を化学反応の進行や化学平衡の偏りなどを議論するための基礎が身につきます。これまでの内容を確実なものにして、今後の演習に備えてください。
今回の要点
- 理想気体の様々な可逆過程について、エントロピーが計算できるようになる
- ギブズエネルギーとヘルムホルツエネルギーの変化と自発変化の方向の関係を理解する。
物理化学演習 第4回
復習編
第4回では各種可逆過程における理想気体のエントロピー変化の計算とギブズエネルギーやヘルムホルツエネルギー変化と自発変化の方向について学びました。エントロピーの熱力学的定義に基づいて、各可逆過程で出入りする熱に注目して計算し、それらの違いを確認し、また、エントロピーが状態関数であることを熱サイクルを用いて確認しました。また、特定の条件における自発変化の方向は、孤立系のエントロピーを変化を計算せずとも、注目している系の熱力学関数(ギブズエネルギーやヘルムホルツエネルギー)の変化量から変化の自発性を判断できることを導きました。これを利用して、任意の化学反応の自発性を議論する方法を学びました。
次回は、温度変化が化学反応にどのように影響するかなど、化学の現場でも役立つ知識を復習します。
復習ポイント
- 様々な可逆過程について、系に流入する熱と理想気体のエントロピーが計算できるようになる。
- 熱力学第2法則と系のギブズエネルギー変化やヘルムホルツエネルギー変化の関係を理解する。