物理化学演習 第5回
予習編
物理化学演習・第5回では、熱力学で用いる数学の復習とギブズエネルギーの圧力・温度依存性、そして、化学ポテンシャルを扱います。
熱力学がわからなくなる大きな理由の一つに、熱力学で日常的に使う数学がわかっていないというのがあります。そこで、熱力学で用いる基本的な数学の知識を整理していきます。さらに、そこで得られる結果から圧力や温度の変化がギブズエネルギーに与える影響を明らかにしていきます。今回の内容は、これまでの回に比べて、少し程度の高い数学的な知識を用いますが、様々な条件下での化学反応の進行の様子などを理解するために必須の内容ですので、しっかり身につけください。
今回の要点
- 2変数関数に関する数学の知識を整理する
- ギブズエネルギーの圧力依存性と温度依存性を理解する。
物理化学演習 第5回
復習編
第5回では熱力学関数2変数の積の全微分を復習し、熱力学の基本式を導出しました。さらに、その結果から、ギブズエネルギーの圧力依存性と温度依存性を表す式を導き、ハーバー・ボッシュ法によるアンモニア生成反応の様々な温度におけるギブズエネルギー変化と自発性を議論しました。さらに、開放系の熱力学の準備として化学ポテンシャルを学びました。
次回は、いくつかの開放系を例に、化学ポテンシャルの重要性をみていきたいと思います。。
復習ポイント
- 2変数関数の扱い方を復習する。
- 熱力学の基本式を導出できるようになる。
- ギブズエネルギーの温度依存性から、化学反応の進行度合いが温度に大きく依存することを理解する。