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無機化学 第5回


予習編


 無機化学・第5回では、複数の電子が原子軌道に詰まる時には、貫入と遮蔽の効果の他に、ある規則に従うことを学びます。

 前回学んだ貫入と遮蔽の効果を考慮すると、各原子軌道がどのようなエネルギーを持っているかを見積もることができます。しかし、それでもまだ同じエネルギーをもった(縮退した)軌道がいくつか存在します。そこで、同じような形(エネルギー)の軌道に電子が詰まるときの規則を学びます

 また原子の中に電子がどのように詰まっているかがわかると、各原子が示す様々な性質や構造が説明できるようになります。この点も原子核に束縛された一番外側の電子に注目することで理解していきます。

今回の要点

  • 原子軌道に電子が詰まるときの規則をまとめて理解する。
  • 原子中一番外側の軌道・電子に注目して、原子の性質・構造を理解する。

 

無機化学 第5回


復習編


 今回は、各軌道の貫入と遮蔽の効果をうまく考慮した、電子の感じる有効核電荷を見積もるためのSlaterの規則を利用して、複数の電子が原子軌道に詰まるときに順番を扱いました。また、この順序の他に、Pauliの排他原理とHundの規則を含めた原子の構成原理も学習しました。さらに

 各原子軌道に入っている電子の有効核電荷を考察することで、外側の電子殻から電子が詰まりうることを説明しました。この事象が周期表上で最初に表れるのはちょうど3d軌道、4s軌道に電子が入るときであることを、演習を通じて学びました。また、有効核電荷と主量子数から軌道半径を見積もり、原子やイオンの大きさの大小を議論できるようになりました。注目している軌道に入っている電子の有効核電荷を考えることは、原子のみならず、分子の構造・性質を説明する際にも重要になってきます。今回の内容は自在に使えるようによく復習しておきましょう。

復習ポイント

  • 多電子原子の電子配置は、原子の構成原理に従って決める。
  • 有効核電荷と主量子数から、原子やイオンの大きさを見積もる。

(2) 無機化学