無機化学 第9回
予習編
無機化学・第9回では、原子価結合理論と分子軌道理論を学びます。
今回は、ルイス構造と原子軌道を結びつける理論として、原子価結合理論と混成軌道の考え方、そして、分子軌道理論を学びますします。ルイス構造は多くの分子の結合と構造を予測するのに非常に有用ですが、限界もあります。化学結合や構造をより正確に理解・予測するために、量子論に基づいて分子を理解する方法の一つを学びます。
この講義では詳しい(厳密な)議論には深入りしませんが、これらの古典的な考え方と現代的な考え方の違いや長所短所について解説します。
今回の要点
- 量子論に基づく分子の理解の手法には、原子価結合理論と分子軌道理論がある。
- ルイス構造、原子価結合理論、分子軌道理論の考え方を比較し、その長所短所をおさえる。
無機化学 第9回
復習編
今回は、原子価結合法の考え方と混成軌道を学びました。
ルイス構造を用いた共有結合の考え方と同様に、原子軌道中の不対電子が存在する原子軌道が相互作用して結合が生成するという考え方(原子価結合法)を学びました。また、昇位と混成の考え方を用いて、分子の形も説明できる形で原子軌道を再構成する方法(混成軌道)も扱いました。
現在分子を理解するための方法としては分子軌道理論が優勢ですが、原子価結合理論の考え方が色濃く残っている分野もあります。また、混成軌道とVSEPRモデルは関係は深いので、これらの類似点、違い、特徴をしっかり区別して、状況に応じて分子の構造や性質を理解できるようにトレーニングしておきましょう。
復習ポイント
- 原子価結合理論の考え方をおさえる。
- 混成軌道の作り方とVSEPRモデルの関係を理解する。