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微分積分 第1回


予習編


 応用化学科1年生のみなさん、ご入学おめでとうございます。

 本講義では、化学における様々な事象を理解するために必要となる数学の中でも、最も重要な項目の一つである「微分積分」について学びます。

 「化学に数学、しかも微分積分が必要なのか?」と思う学生も多いかもしれません。高校化学で必要とされる数学の知識は、四則演算、単位変換、比例計算、複雑なものでも対数計算程度なので、これまでの化学の学習で微分積分のお世話になる機会はほぼなかったと思います。

 しかし、大学で化学を勉強し始めると、状況は一変します。物理化学と呼ばれる分野では、高校化学と高校物理を合わせたような内容を、微分積分で記述・解析していくことになります。また、有機化学や無機化学でも、原子・分子の構造や結合を理解するときに、微分積分の知識を幾分必要とします。また、教科書に載っているような内容だけでなく、大学(特に研究室)では、新しい化合物・反応・現象に遭遇することも頻繁です。これまでに知られていない問題に直面したとき、その理解・解釈のために微分積分の知識を駆使しなければならない場面が数多くあります

 これらの理由から、応用化学科でも「微分積分」を駆使できるようになることが必須です。そこで本講義では、重要な高校数学の微分積分を復習しつつ、化学の問題を解くにも重要な新しい数学を身につけていきます。基本的に教科書に沿ってコテコテの大学数学を学習しますが、数学的な問題を含む様々な化学事象をできるだけ取り上げるので、化学で微分積分を実践的に使う方法・技術を学んでもらいたいと思っています。また、高校まで「微分積分は苦手だな、、、」と感じていた学生にも配慮して講義を進めるので、微分積分が嫌いだった人も、僕には・私には無理!という苦手意識は捨てて、新しく微分積分を学び直すつもり受講してください

 さてそんな「微分積分」の第1回は、大学の微分積分を学ぶ準備段階として、数学についての腕試しをしてもらいたいと思います。今の自分にどの知識が必要なのか自己診断してもらいます。これを元にして、大学で化学を円滑に学ぶために補うべき数学的知識を整理して、15回の講義で化学に使える微分積分をマスターしてください。

今回の要点

  • 大学で化学を学ぶのに微分積分は必須!
  • 現在の数学の力を自己診断する。

 

微分積分 第1回


復習編


 今回は本講義のガイダンスと高校数学(特に微分積分に関係する単元)の確認テストを行いました。

 ガイダンスの時にも説明したとおり、高校で学ぶ数学が理解できていれば(今回のテストができていれば)、本講義の7,8割は難なく理解できると思います。確かに、大学数学では新しい項目を学習し、身につけなければならないことがあるのですが、全ての基本にあるのは高校数学の微分積分、そしてそれに関連する数学の知識(しかもその基本的な部分で十分)です。

 そして本講義で大学の微分積分を学習することで、大学化学を理解するために必須な数学的素養(の一部、もう一つは線形代数学)を習得することができます。「数学のせいで化学がわからない」というのは、あまりにももったいないです。是非この講義を通して、数学をそして化学を理解するように努めてください

復習ポイント

  • 大学化学では一部の高校数学をよく使う(要復習!)。
  • 大学の微分積分では、微分法の応用、積分法の拡張、多変数関数、微分方程式を新たに扱う。

(1) 微分積分