無機化学 第7回
予習編
p> 無機化学・第7回からは、これまで学んできた原子の構造や性質の理解を踏まえて、分子の構造や性質を理解するところに進んでいきます。
原子を考えるときには、原子核の周りにある一つまたは多数の電子を考えれば良いだけでしたが、分子はほとんどの場合、複数の原子核からなり、そこに多数の電子が詰まっている化学種を考えることになります。つまり、電気的な斥力が働く原子核の間に、どのように電子が存在しているのかを考える必要が出てくるということになります。
今回は、古典的だけれども、分子に見られる結合や構造を実にうまく説明できるルイス構造(高校化学では電子式と呼ぶ)について学びます。今回はルイス構造の描き方と形式電荷について解説します。
今回の要点
- 分子を理解する方法の一つとしてルイス構造を理解する。
- 形式電荷の考え方を理解する。
無機化学 第7回
復習編
今回は、ルイス構造の描き方を学び、形式電荷の考え方を学びました。
ルイス構造を描くには、とにかく各原子がオクテット則(見かけ上全ての原子の周りの8個(or2個)の電子がある)を満たすをようにすればよいだけです。非常にシンプルなルールですが、実に多くの分子やイオンがこの規則を満たしていることが、多くの例によって実感できたと思います。しかし、高校化学でよく扱っていた化合物とは異なり、ルイス構造を描きにくい化合物を取り上げました。そういう構造にはたいてい形式電荷や共鳴が関わっていることも解説しました。
実はルイス構造が描けると、分子の構造をいとも簡単に予測できる経験則があります。これは次回の内容になりますので、まずはどんな分子が与えられても、ルイス式が間違いなく描けるように、よく練習・復習しておいてください。
復習ポイント
- オクテット則を満たすようにルイス構造が描けるようになる。
- 形式電荷を考慮するときは、結合電子対の電子の個数の数え方に注意する。
- 極限構造と共鳴混成体の関係を理解する。