内容
目には2種類のセンサー(受容器)が配置されていて,各々が補い合い人のすぐれた視覚能力を支えています.
同様にして,人の指先には,4種類の特徴の異なるセンサーが存在しています.これらからの出力から様々なさわり心地が知覚されます.本プロジェクトでは,物理的な刺激を人工的に提示することにより,任意のさわり心地を実現しようとする研究です.
これまでに,指先を回転子に接触させ,手の運動と提示したい物体に応じた回転運動を与えさわり心地を提示する”ホイール型触覚提示デバイス”や,複数方向の振動子を組み合わせて提示する”振動方向合成型提示デバイス”を開発し,それらの性能を評価しています.下図は、2つの受容器を個別に刺激してさわり心地を実現するデバイスです。
このプロジェクトでは,上記のデバイスのよりリアリティの高いなぞり心地を実現するための刺激提示方法の開発・評価や,新しい手法について,デバイスの開発を含めて研究してゆきます.
さて,ここで”さわり心地”をどのように客観的に評価できるでしょうか? このためには,いくつかの方法がありますが,本研究室ではSD(Semantic Difference)法と因子分析を用いています.詳しい説明は省略しますが,”さわり心地”を表していそうな形容詞を用いた回答を統計的に解析する手法です.この手法は,社会学的問題や各種商品のイメージ調査などにも広く利用されています.