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無機化学 第2回


予習編


 無機化学・第2回では、原子構造を理解するのに必要な量子論を簡単に解説します。

 前回、「高校化学・物理の原子の描像はいい線いっているが、完全ではない」という話をしましたが、その続きから始めます。ミクロな世界を記述するには古典的な考え方には限界があって、新しい考え方が必要になってきた=量子論という話になります。この量子論を正の電荷を帯びた原子核とその周りの電子からなる原子に適用して記述すると、周期表上の原子に現れる周期性が見事に説明できることがわかってきました。この事実がわかってから、実はまだ100年経っていません。

 量子論は真面目に学ぼうとすると、1コマどころか2、3コマ必要な内容になるのですが、本講義では、化学を学ぶ立場からして大事になるエッセンスだけをまず扱います。手計算で解ける問題を例として、ミクロな粒子の運動をどのように記述し、それにはどのような特徴があるのかに注目して欲しいと思います。

 前回講義で伝えたように、できる限り数式を使わないようにしますが、ある程度の数学的な知識があると理解が深まるので、三角関数とその微分あたりを復習しておいてください。

今回の要点

  • 量子論の基本的な考え方をおさえる。
  • 量子論で記述されるミクロな世界の振る舞いの特徴を理解する。

 

無機化学 第2回


復習編


 今回はミクロな世界を記述するために必要な量子論の基本について学びました。ミクロな粒子はもちろん粒子ではあるけれども、同時に波としての性質も顕在化してしまうという、日常的な感覚からは想像しづらい事象を扱いました。

 このわかりづらいミクロな粒子の二面性を表すためにシュレーディンガー方程式を導入し、簡単な系のエネルギーと波動関数の様子を調べました。ミクロな粒子に実体があるのかないのか、つかみどころのない話ですが、その考え方をしっかり復習して、次回の講義に臨んでください。

 次回はシュレーディンガー方程式の解の特徴に注目しながら、いよいよ原子の構造を量子論によって紐解いていきます。

復習ポイント

  • ミクロな粒子の粒子性と波動性を両方考慮したシュレーディンガー方程式を解く過程をフォローする。
  • シュレーディンガー方程式を解いて得られる情報を理解する。

(2) 無機化学