無機化学
シラバス
授業基本情報
科目名:「無機化学」 専門教育科目(K701701) 2017年度・後期・火4限
担当:森本 樹 (工学部応用化学科)
教室:講義棟A203
対象:工学部応用化学科1年・2年
単位数:2
リンク:東京工科大学シラバス
授業概要
周期表上の様々な元素を理解するために、量子論によって原子の構造を理解することからはじめる。これを基にして、各原子・イオンの諸性質、化学結合、またそれらから成る無機化合物の構造、物性、酸性・塩基性や酸化還元特性について統一的・系統的に理解・学習する。この講義を通じて、分子の構造・性質・反応を理解する上で必要となる各原子の特性を、統一的に説明できる知識が身につく。
到達目標
量子論に基づいて原子中の電子の振る舞いを捉え、原子の軌道エネルギーが量子化されていることを理解する。また、その原子軌道の形とエネルギーから、各原子・イオンのみならず、分子や固体の構造、化学結合、物性を説明できるようになる。さらに、無機化合物の酸・塩基としての性質、また酸化還元特性を定量的に議論できるようになる。
【実学的専門知識と技術、論理的な思考能力、分析・評価能力】
授業方法
授業は黒板とプロジェクターを併用する。講義は基本的に教科書に沿って進め、毎回まとめ・演習プリント、また、必要に応じて補助資料等を配布する。さらに、小テストを毎回行い、要点の確認と復習を行う。ノートPCを使用する場合は事前にアナウンスする。
履修上の注意
大学化学の理解に欠かせない内容を扱う必修科目であるので、予習・復習が必須である。また、毎回の講義内容をその場でよく理解するように努めること。また、高校化学・高校物理の習熟度に合わせて、各個人が高校で使用した教科書や副教材を持参することは差し支えない。
準備学習
予備知識は必要としないが、高校化学(特に原子の構造、電子配置、周期律、化学結合、熱化学、酸・塩基、酸化・還元)、高校物理(特に力学、電磁気学、原子)を復習しておくと、講義の理解に大いに役立つ。また、予習においては、毎回配布するまとめ・演習プリントの内容を確認し、演習問題を解き、次回の講義内容を把握しておくこと。復習では、講義で扱った内容や問題を自分で考え、解き直し、その内容が定着するように努め、またノートに要点をまとめること。
成績評価方法・基準
毎回の小テストとレポート(40%)と期末試験(60%)から総合的に評価する。
教科書
シュライバー・アトキンス 無機化学(上) 第6版(東京化学同人)
参考書
基礎無機化学 第2版(東京化学同人、荻野博・飛田博実・岡崎雅明著)
基礎無機化学(東京化学同人、下井守著)
Inorganic Chemistry 6th ed., Oxford University Press, Mark Weller, Tina Overton, Jonathan Rourke, Fraser Armstrong, Peter Atkins
授業計画
第1回:ガイダンスおよび基礎的な化学・物理の復習
第2回:原子の構造と量子論 - 微小な世界を理解するための考え方
第3回:原子軌道
第4回:貫入と遮蔽、構成原理
第5回:原子・イオンの構造と性質
第6回:ルイス構造とオクテット則
第7回:無機化合物の構造と結合特性、VSEPRモデル
第8回:原子価結合理論
第9回:分子軌道理論(1) - 分子軌道の考え方と分子の構成原理
第10回:分子軌道理論(2) - 結合次数と結合特性
第11回:固体の構造と電子構造
第12回:酸と塩基(1) - 酸・塩基の定義とその強弱
第13回:酸と塩基(2) - 酸解離定数とpH
第14回:酸化と還元(1) - 酸化還元反応と標準電位
第15回:酸化と還元(2) - ネルンスト式と様々な酸化還元反応