1. 電気化学的プロセスを用いた機能性薄膜材料の低温創製

    太陽電池、ReRAM(抵抗変化型メモリー)、バイオセンサー、ディスプレイなどの電子デバイス、光触媒材料、生体適合膜、材料表面改質への応用

        

    室温の電気化学反応で、高い機能性をもつ薄膜を作製できます。水の電気分解と同様の回路を使って、従来は900℃以上の高い温度が必要であったシリコンオキシナイトライド薄膜を作製しています。

    可視光で応答する光触媒機能性薄膜やReRAM特性を発現するアニオン複合型誘電体薄膜などの低温創製、 高感度・高選択性をもつグルコースセンサー、 バイオメタル表面を電気化学的酸化することよるバイオマテリアルの生体活性の向上、 電気化学的プロセスによる金属の表面改質などを目指した研究を行っています。

    図 1 電気化学的酸化法で作製した光触媒機能をもつ薄膜(色調も制御)  図 2 電気化学的酸化法で低温作製したグルコースセンサーの特性
  2. 新規の高機能性材料の探索

    エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光デバイス、電子デバイス、皮膜材料、化粧品材料への応用

    真空プロセス、プラズマプロセス、溶液化学プロセス、雰囲気制御焼成プロセスなどの様々なファインセラミックスプロセスを駆使して高い機能性をもつ新規の材料合成を行っています。

    多元系酸化物(複数の金属を含んだ酸化物)、多元系窒化物(複数の金属を含んだ窒化物)、複合アニオン化合物(酸化物や窒化物、フッ化物などの複数のアニオンを含んだ化合物)やこれらを組み合わせた化合物系の合成に挑戦しています。

    図 3 金属複合化による窒化物の高機能化
  3. シリコンナノ材料

    半導体工場からはシリコン(ケイ素、Si)を含んだ汚泥が産業廃棄物として排出されています。私たちは、この汚泥からシリコンを 取り出す技術を開発しています。取り出したシリコンは数nmのサイズのナノ粒子であり、アルカリ性の水との反応で水素も発生できます。 このシリコンナノ粒子を様々な用途に展開する研究を行っています。

    図 4 作製したシリコンナノ粒子の透過電子顕微鏡像

  4. 活性その場反応プロセスによる表面改質

    次世代の半導体基板として注目されているSiC基板を用いた電子デバイスの課題であった、表面平坦化や超清純化を、400℃以下の低温での水素処理で達成する方法を開発しました。

    環境負荷の低いプロセスで、簡便に材料表面の改質を達成する研究です。

    図 5 水素処理を施して作成したSiCデバイスの電流ー電圧特性

  5. 量子ビームや理論計算を用いた材料の特性解析

    表面極微化学種の化学状態解析法の開発と材料特性解析

    X線や紫外・可視・赤外線を用いた化学状態解析法と密度汎関数法による理論計算を用いた物性解析研究

    極めてわずかな(10万分の一層)表面化学種の化学結合状態や構造の情報を得ることのできる極微化学状態解析法を開発しています。この方法を用いて材料表面の微視的な観測を行い、得られた化学状態の情報を基にした表面の超清純化処理で、太陽電池やLSIなどの電子デバイスの高性能化を行います。化学状態の情報を、人類の役に立つものつくりの現場に活かす研究を行っています。

    図 6 材料表面の化学種の極微化学状態