浦瀬研究室

廃棄物処分場からの有害物質と熱に関する外部発表内容のご紹介

● 浦瀬太郎,竹村次朗,奥村浩幸,S. Panyosaranya, C. Chiemchaisri, C. Chomusurin(2007):タイ国ノンタブリ処分場における浸出水中の微量物質, 水環境学会誌, 30, 11, 617-620.

【要旨】タイ国ノンタブリ処分場において浸出水中の微量物質の調査を行い,近隣のナコンパトム処分場との比較も行った。ノンタブリ処分場は,浸出水中のビスフェノールAが数mg/lの濃度レベル,トルエンが60μg/l程度の濃度で検出され,微量物質の排出の多い処分場であった。一方,近隣の衛生埋立を行っている処分場ではこれらの濃度は1μg/lのオーダーで,きわめて低く,処分場によって,微量物質の排出に大きな差があることがわかった。焼却処理を行わない途上国では,処分層内で有機物が分解発熱し,その熱によりプラスチック類が加熱される。

 つまり,有機物の持込の多い処分場では,廃棄物の分解によって発熱が生じ,嫌気性のゆっくりとした反応であっても廃棄物処分層内の温度は,60℃以上にもなることが,知られている。一般にビスフェノールAはポリカーボネートの熱アルカリ分解でも生じるが,温度の高い条件で多く廃棄物から溶出する。また,トルエン,キシレンなどのVOCsは,ポリスチレンを中心とした一部のプラスチックの加熱によっても生成する。

 ノンタブリ処分場でも浸出水の温度はそれほど高くはないが,廃棄物層の一部で70℃程度の温度を観測していることから,易分解有機物の分解反応に伴って熱が発生し,プラスチック廃棄物が熱に暴露され,微量物質がプラスチックから浸出水や発生ガスに移行する可能性を考えることができる。このように考えることによって,生ゴミとプラスチックの混合埋立をしている処分場でビスフェノールAの浸出水濃度が高い現象を説明することができる。

● Taro Urase, Hiroyuki Okumura, Samerjai Panyosaranya, and Akihiro Inamura (2008): Emission of volatile organic compounds from solid waste disposal sites and importance of heat management, Waste Management Research, 26, 534-538.

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